2005年、ONE OK ROCKが結成間もない頃にリリースした自主制作盤ミニアルバム『Do you know a Christmas?』に収録されている「もしも太陽がなくなったとしたら」。

ギターのToruが作詞・作曲を手掛けたこの曲は、後の壮大なロックアンセムとは異なる、素朴でストレートなメッセージが胸を打つ初期の名曲です。

更新日:2026年1月23日

この記事を読めばわかること

  • 「太陽がなくなる」という極限状態を通して描かれる、日常の尊さ
  • 結成初期ならではの、Toruが綴る真っ直ぐで等身大な歌詞の世界観
  • 「世界の終わり」という壮大なテーマと、隣にいる「君」という対比
  • 全英語詞になる前の、日本語を大切にしていた初期ワンオクの魅力

結論:この曲は、世界の終焉という絶望を仮定することで、今目の前にある「何気ない幸せ」の絶対的価値を再確認する歌である

歌詞の中心にあるのは、もし地球が破壊され、太陽という生命の源が失われたとき、人は最後に何を求めるのか?という問いかけです。

パニックに陥る街並みや植物の死滅といった絶望的な光景が描かれる一方で、結末に辿り着くのは「君を強く抱きしめるだけ」という極めて個人的で純粋な愛の形です。

「朝目覚めて隣に君がいる」という当たり前の光景が、実は一分一秒を惜しむほど貴重なものであるということ。

まだ何者でもなかった若き日の彼らが、音楽を通して叫んだ「生」への執着と愛の物語がここにあります。


ONE OK ROCK - もしも太陽がなくなったとしたら

知っておきたい楽曲プロフィール

インディーズ時代の作品であり、Takaのボーカルも現在より青く、繊細な響きを持っています。

アコースティックな温かさと、サビに向けてエモーショナルに加速する構成が特徴です。

  • 曲名:もしも太陽がなくなったとしたら
  • アーティスト:ONE OK ROCK / ワンオクロック
  • 作詞・作曲:Toru
  • リリース日:2005年12月21日
  • 収録アルバム:ONE OK ROCK(自主制作盤)
  • 音楽ジャンル:エモーショナル・ロック、J-ROCK

世界の終わりに捧ぐ:もしも太陽がなくなったとしたら 歌詞和訳

[Chorus]
もしも太陽がなくなったとしたら 誰一人として生きていけない
街中は騒ぎだし焦りだす この先なにが起こるかわからない

[Verse 1]
朝目覚めると隣りに君がいて窓からの光 寝ぐせ頭でいつもの手作りBreakfast
お出かけ前のkiss 何気ない生活がすごい大切で一分一秒今を生きている

[Pre-Chorus]
突然地球が破壊されると予告されたら僕はなにをするのだろう?
光のない暗闇の中 予想もできない非常事態

[Chorus]
もしも太陽がなくなったとしたら 誰一人として生きていけない
街中は騒ぎだし焦りだす この先なにが起こるかわからない

[Verse 2]
雨降り風吹き小さな芽がでてきれいな花が咲く 季節が変わり時代もともに変わる
やがて時が経つにつれて植物や生き物一つも残らず
一瞬にして思い出はこの世から消え去ってく

[Pre-Chorus]
突然地球が破壊されると予告されたら君はなにをするのだろう?
光のない暗闇の中 予想もできない非常事態

[Chorus]
もしも太陽がなくなったとしたら 誰一人として生きていけない
街中は騒ぎだし焦りだす この先なにが起こるかわからない

[Bridge]
We’ve seen people we feel sorry. They all say “please help me!”
僕らは、気の毒に思える人々を見てきた。彼らは皆「助けてくれ!」と言っている
誰一人として生きていけない
『Shout for help』『Don’t worry, be alright』 世界の終わりが近づいている
「助けを求めて叫ぶ声」と「心配ない、大丈夫だ」という声 世界の終わりが近づいている
今僕にできることは君を強く抱きしめるだけ

[Chorus]
もしも太陽がなくなったとしたら 誰一人として生きていけない
街中は騒ぎだし焦りだす この先なにが起こるかわからない

「手作りの朝食」が持つ究極のリアリティ

この曲が多くのファンの心に残り続けている理由は、SF的な「地球破壊」というテーマを扱いながら、描かれる光景が「寝ぐせ頭」や「手作りのBreakfast」といった、あまりに日常的で等身大なディテールだからです。

大きな絶望を前にしたとき、人が本当に失いたくないと願うのは、名声や富ではなく、そうした「何気ない生活」の一コマであるということ。

初期のONE OK ROCKが持っていた、背伸びをしない純粋な感性がこの一節に凝縮されています。

「Shout for help」と「Don’t worry」の対比

終盤に登場する「Shout for help(助けを求める叫び)」と「Don’t worry, be alright(心配ない、大丈夫)」というフレーズ。

混沌とする世界の中で、パニックに陥る人々と、それでも隣にいる大切な人を安心させようとする主人公の対比が描かれています。

どんなに無力であっても、最後にできることは「強く抱きしめること」だけ。

その原始的とも言える愛の形が、暗闇の中の唯一の光として提示されています。

「終末」の中の真実:キーワード解説

  • 太陽:生命、希望、そして「当たり前にある日常」の象徴。
  • 一分一秒:時間の有限性。世界の終わりを意識することで、今の重みが増すという逆説。
  • 暗闇:未知への恐怖。光がない状態は、拠り所を失った心のメタファー。
  • 思い出が消え去ってく:物理的な滅亡よりも、愛した記憶が失われることへの根源的な恐怖。
  • 地球破壊:逃れられない運命や、抗えない巨大な力の象徴。
  • 手作りBreakfast:最も身近な愛情の形。極限状態での「平穏」への渇望。
  • 寝ぐせ頭:着飾らない、ありのままの自分と愛する人の姿。
  • 強く抱きしめる:言葉を超えた、究極のコミュニケーションと防衛本能。

歌詞を読み解くエッセンス:英単語解説

  • Feel sorry:気の毒に思う。他者の苦しみや絶望を客観的に見る視点。
  • Shout for help:助けを求めて叫ぶ。極限状態における人間の剥き出しの本能。
  • Be alright:大丈夫。根拠はなくとも、愛する者を落ち着かせるための力強い言葉。
  • Please help me:他者への依存と、死への恐怖をダイレクトに伝えるフレーズ。
  • See people:パニックを俯瞰する視点。孤独の中での冷静さを表す。
  • All say:群衆の同調。個の意志が消え、絶望に飲み込まれる様子。
  • Don't worry:相手を不安から守ろうとする、献身的な愛情の表現。
  • Approach:近づく。世界の終わりが刻一刻と迫る切迫感。

意志を研ぎ澄ます表現:英文法解説

  • We’ve seen people...:現在完了形。これまでの経験として、多くの絶望を見てきたという背景。
  • They all say...:現在形。今まさに起きているパニックの臨場感。
  • Don’t worry:否定命令形。強い意志を持って、相手に不安を与えないようにする誓い。
  • Only thing I can do:歌詞の「できることは〜だけ」に対応。選択肢が削ぎ落とされた究極の結論。
  • If the sun disappears:仮定法的なニュアンス。もしもという仮定から導かれる真理。
  • What would I do?:未来への自問。極限状態での優先順位を確かめる形。
  • Everything will fade:一瞬にして消え去るという、未来の不確実性と無常観。
  • Living this moment:一分一秒を生きるという、現在進行形の強調。

自主制作時代からの光:Toruのソングライティング

後にメインコンポーザーとなるTakaにバトンを繋ぐ前の、Toruが中心となって楽曲制作を行っていた時代の貴重な一片です。

この頃から既に「光」や「太陽」といったモチーフが使われており、ONE OK ROCKというバンド名(1時=ひとつの光、始まり)に通じるアイデンティティが見て取れます。

シンプルながらも力強いメロディは、現在の大規模なアリーナツアーで聴いても色褪せない魅力を秘めています。

よくある質問:ONE OK ROCK『もしも太陽がなくなったとしたら』について

Q:この曲が収録されているCDは今でも買えますか?
A:自主制作盤のため非常に希少価値が高く、現在は入手困難なコレクターズアイテムとなっています。

Q:作詞・作曲がTakaではないのはなぜですか?

A:結成当初はリーダーのToruが中心となって楽曲制作を行っていたためです。

Q:ライブで演奏されることはありますか?
A:近年では非常に稀ですが、バンドの原点としてファンの間で根強く愛され続けている楽曲です。

Q:歌詞に出てくる「Breakfast」に隠された意味は?
A:特定の隠喩というよりは、平穏な日常の幸福を象徴する具体的なアイテムとして描かれています。

Q:タイトルの長さには意味がありますか?

A:初期のToruの楽曲には、このように情景をそのままタイトルにしたような素朴なものがいくつか存在します。

まとめ:『もしも太陽がなくなったとしたら』が教える「今」の価値

  • 日常の神聖化:特別なイベントではなく、日常のルーティンこそが最も守るべき宝物である。
  • 愛の究極:何もできなくなったとき、唯一価値を持つのは「誰かを想う心」である。
  • 時間の再定義:いつか終わるからこそ、一分一秒を「今」として全力で生きる。

もしも明日、太陽が昇らないとしたら、あなたは今日誰に会い、どんな言葉をかけますか?

この曲は、そんな究極の問いを私たちに突きつけながら、今隣にいる人を大切にする勇気を与えてくれます。

あわせて聴きたい!命と愛の尊さを歌う楽曲

  • 【初期の純粋なラブソング】 You've Broken My Heart / ONE OK ROCK:初期ならではのストレートな感情表現が心に刺さる一曲。
  • 【共に明日を夢見る】 Around The World 少年 / ONE OK ROCK:世界は自分たち次第で変えられるという希望に満ちた初期の代表曲。